『今回は前歯のインプラントについてです。
この方は、前歯の被せ物が土台ごと取れてしまった患者様です。
抜けてしまっているように見える右の前歯ですが、実は歯の根っこは残っているのですが、虫歯になっており、再び同じように被せ物をする事ができないため、抜歯が適当と診断しました。
さて、抜歯後この部分をどう治療してくか・・・
ここで、いつものように、「ブリッジにするか、インプラントにするか」という選択肢になります。
(これまでのブログで何度かそのメリットデメリットを書いています)
今回は、左右の歯も、治療されていないきれいな歯であったこと、などからインプラントにて治療する事にしました。
これがインプラントの手術直後の写真です。
歯のないところに、チタン製のインプラント(人工歯根)を植えています。
インプラントを植えてしばらくの間は、インプラントが骨とくっつくのを待ちます。
およそ2〜3ヶ月。
その間に、この患者様は、下の前歯がガタガタしていたので、部分矯正を行い、特に1本前に出ていた歯を引っ込めました。
このように、下の前歯が1本前に飛び出していると、上の歯の被せ物にトラブルを引き起こすことが多いため、インプラントを完成させる前に、下の前歯を整えました。こういう処置をしておくことが、被せものの予後に大きな影響を与えます。(矯正治療は見た目を治すだけの治療ではありません!!)
下の歯の準備ができたところで、上の歯のインプラントに戻ります。
先ほどのインプラントの上に、下の写真のような、インプラントのアバットメント(インプラント本体と、上の被せ物の接合部)を入れます。
今回は特に前歯という事もあり、審美的に仕上がるように、ジルコニアという人工ダイヤを使った白いアバットメントを使いました。
(通常は、金属のアバットメントなのですが、金属色が少し透けることがあるためこのような、白いアバットメントを使いました)
これが治療後の写真です。
とても自然で、どちらにインプラントが入っているか、パッと見てはわからないとおもいます。
インプラントが入る前に、ホワイト二ングもしているので、全体的に白く明るくなっています。
前歯のインプラントは、高い審美性が要求される部分です。
今回は、さらりとの紹介にはなっていますが、この結果を得るためには、たくさんのテクニックが用いられています。
どの部分でもそうですが、適切な診断、適切な処置がその後の予後に大きくかかわってくるのです。そして、ここからは、いかにしっかりケアができるかが、重要になってきます。
患者さまと私たちの二人三脚で、ともに頑張っていこうと思います!!
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